日々是精進 

日々の事、思いついた事等を書く予定、サボリ気味だったのを治そうかなと

ひつじ昔語り-面

鯛夢先生の般若の面の絵を見て思い出した。

元実家の玄関から奥の居間までの廊下、
左右には天狗面、狐面、般若面、鬼面等全て木彫りの面が12面並んでた。
幼少時代の夜に、トイレ行くのに前通ると怖かったなぁ。
 
その面も実家を壊す際に、禰宜さんにご祈祷して貰って梱包し、
半ば封印して蔵へ仕舞ったのだが、蔵へ納めているときに気付いた。
1つ足りない…
一面づつ梱包する際箱書きをして、写真も収めたのだが、
般若面の「笑み」の面が消えていた、対になっていて「憤怒」の面は残っていた。
 
元々この般若面は、親戚の知古の方が彫り上げて、
其れを頂いたモノだった、貰う由縁も無いのだけど、
彫った木材の出処が我が家だったとの事で、親戚の者伝手に我が家へやってきた。
蔵へ納める時に、親戚の者も一緒に立ち会った際にこんな事を聞いた。
 
彫り上げた面を「笑み」と「憤怒」と付け、うちに持ってきたんだよと。
怖い感じがしたので、置いておけないと思い、さっさと厄介払いよろしく我が家へ持ち込んだのだと。
処が彫り上げた男が言うには、「笑み」の面は俺が彫ったもんじゃないとな。
どう見ても同じ素性の木なのだから、お前さんだろ?と問えば違うと言い張る。
そんな問答をやったので、薄ら怖いから持ってきたのだと。
 
今の処、「笑み」の面は消息不明ですが、あれは決して「笑み」じゃない、
薄笑いであり、眼は笑っていないそんな顔の面でした。
 
その元凶であり彫り上げた方は、先日鬼籍に入られたので、最早答えを求められない状況です。
 
2015年7月31日
黄色いひつじ