ひつじ昔語り-失せる
東京の西の方、山間の町での事。
旧家のお屋敷を解体するとの話を受けて現場へ向かった。
業者と打合せをして、母屋の撤去・蔵の撤去を進め、
最後に一番奥にある、屋外用のトイレを残し他は整地もし終わった。
足元良くして一気に怖そうって算段だったらしい、建物自体も年月を経ているので、
重機で数度やれば行けるだろうとの計算で、「明日は楽だな」と言いつつ引き上げた。
しかしだ、その変化に翌朝現場は凍る。
朝現場に行くと業者が喚いていた、どうしたのかと聞くと、「消えた」と言う。
就業時間より前に来てやったのか?と冗談めかして言うも「そんな規則違反やらねぇ」と言う。
つまりだ、朝いつも通り来てみたら、今日壊す予定の小屋が消えていたと。
朝からこんななのでお隣の奥さんが出てきて、どうしたの?と聞かれたので、
小屋が消えた旨を伝えると、「昨夜遅くに来て積んでいったんじゃないの?」と言われた。
はぁ?と思い聞き直すと、「家のトイレの窓から見てたらね、大きい車がきて」
そんな時間に車は寄越してないですよと言うも、話は続く。
「クレーンみたいので吊って載せてったじゃないよ」と
つまりお隣さんが言うに、夜中に持ちだしたって事だね。
業者は壊さずに済んで喜んでるし、まぁいいかなぁと思うのと、
ちょっと裏を取るので、この土地の持ち主を洗って貰った。
とととと、取り敢えずここで割愛。
後の内容はイベントなどでお話します。
こんなお話があったとさ
2015年8月6日
黄色いひつじ