日々是精進 

日々の事、思いついた事等を書く予定、サボリ気味だったのを治そうかなと

ひつじ不思議話-番人

昔々の話

高校生の頃、自転車で最寄りの駅まで通っていた。

当時の最寄りと言っても、軽く5kmあり、

我が家が低地にあり、駅が高い場所にあった為、

まず1つ目の坂を登り、谷を一気に下り、二つ目の坂を登り切った先が駅だった。

今じゃそんなコース、自転車じゃ遠慮したいですね。

ほぼ毎日ですが、1つ目の坂を登り切ると、左手に小学校があり、

その小学校の塀に沿って、ナニに例えればいいのか、その時の視え方の違いで、

黒い大きなローブを纏った影に視えたり、仁王門のあの像にも視えたりと、様々に視えてましたね。

ナニカアクションをする訳では無く、ただボーッと立っているだけだった。

 

高校へ通ってた3年間、朝晩に其処を通過してたけど、たった一度だけその番人が動いてた時があった。

 

小学校の向かいに銭湯があった、その手前に八百屋と豆腐屋があった。

あれは冬の頃、学校の授業が8時間授業で、終わったら外が真っ暗だったのを覚えている。

いつも通り学校から電車を乗継、最寄り駅から自転車で谷を降りて上がったら、

前方が真っ赤だった、半鐘の音も鳴り響いてたので、火事だったと思う。

小学校の所まで来たら、あの門番は火元の建物に向け、何か棒の様なものを振っていた。

火の手は大きく成っていたが、番人が棒を振る度に、少しずつ少しずつ炎の勢いが落ちていった。

消火活動の介もあり炎は小さくなった、番人を振り返ると、いつもの定位置で相変わらず立っていた。

まるで今までの事が無かったようにね。

 

学校を卒業して、社会人になり、少しの間実家を離れていたら、

番人は消えたかなと思ったが、彼はずっと変わらず同じ場所にいました。

 

そして昨今、実家の引っ越し等あり、疎遠になる事がありましたが、

身内はあちらにいるので、冠婚葬祭で出向く機会に、何気なく車を回すとね、

番人は相も変わらず、時等関係なしに立ってましたよ。

この番人の正体が知りたくってね、図書館で資料探したり、

近所の古老のお話を聴いたけど、はっきりとした話は無かったです。

 

私だけが視えているのかと思い、同窓会の折に聴いてみたら、

代々地元に住む子で、うちの血縁のヒトにしか視えて無いことが発覚。

謎は深まるばかりです。

 

 

2015年12月4日

黄色いひつじ